皆さん、こんばんは。気持ちの良い秋晴れが続いていますね?私は、色とりどりの紅葉に眼を奪われてしまいます。
さて、本日は外来で常に、気になって仕方の無いことについてお話しますね。男女年齢問わず、“疲れる”を主訴にいらっしゃる患者さんの多いこと。勿論、なんらかの病気で自覚症状に結びついていることもありますが、“目に異常が無い”方もたくさんいらっしゃるのです。
え?“目に異常が無い”と“疲れる”は結びつかないんじゃない?そう思いますよね。しかも、眼科に行ったら、医師からは「異常ありません!」。「いやいや、そんなはずはない。めちゃくちゃ疲れるんだって。」そう心の中で呟いたことがある方も、少なくないのでは?
その理由の一つに、《眼鏡》があります。
例1.遠くを見る眼鏡でパソコンや本の字が見えない。
→調節力が落ちていませんか?
調節力とは、近くの物を見る為のパワーです。調節力は、加齢に伴い低下します。10代がピークで、その後は年々落ちて行く一方なのです。ただし、調節力には個人差があり、適正でない眼鏡をかけてきた方は、年齢の割に調節力が弱いこともあります。現在のご自分自身の調節力と、用途にあった眼鏡が必要です。
例2.眼鏡をかけると疲れる・気持ち悪くなる。
→作成した時から数年経っていませんか?
上記のように、年月と共に“合う眼鏡”は変わっていきます。数年前には合っていた度数でも、今合うとは限りません。むしろ、ほとんどの場合が変化しています。度の合わない眼鏡を無理にかけていたら、眼だけでなく身体の負担も大きくなってしまいます。
→過矯正ではないですか?
古い眼鏡ばかりではなく、作ったばかりの眼鏡でも過矯正のことがあります。矯正が強すぎると、“クラクラ”したり、気持ち悪くなることがあります。《眼鏡嫌い》になる前に、その眼鏡、貴方の眼に合っていますか?ご相談ください。
→フィッティングが合っていますか?
人の顔は左右対称ではありません。目の大きさや耳の高さも全く一緒ではないのです。それらは眼鏡店側の技量によるところですから、ビフォアーフィッティング・アフターフィッティング(眼鏡作成前と作成後のフィッティング確認)をきちんとしてくれる眼鏡店を選んでください。
→そもそも、作り方の悪い眼鏡ではないですか?
レンズの傾斜や鼻パッドを確認してみて下さい。人の視線は、正面から15°下方にある為、顔の面に対してレンズの傾きを遠用では12°、遠近両用では15°、近用では20~25°前方に傾けて装用出来るように作成しなくてはなりません。また、鼻パッドは、眼鏡を支えるだけでなくレンズの中心や瞳孔間距離を正しく固定する為のものでもあります。圧迫しすぎても緩すぎても良くありません。圧迫しすぎは皮膚の血流を悪くし、圧迫痕に痛みを感じて《眼鏡嫌い》になってしまう大きな要因のようです。
→遠近両用眼鏡をかけている方、フレームの幅が細すぎませんか?
遠用と近用を無理に詰め込んだレンズでは、見えるものも見えなくなってしまいます。
眼鏡は、適正に使うかどうかで効果が全く違ってきます。是非、快適な眼鏡をかけて、生活の質を向上させてくださいね。
『2015年11月5日 Facebookにて投稿』