皆さん、こんにちは蒸し暑い毎日ですが、体調管理を万全にお過ごしくださいね
今日は、誰もが避けて通れない《白内障》についてお話します。
質問:「私、白内障出てきていますか?」
(質問者は、60代以降の患者さんという設定)
答え:Yes
診察していなくても、「はい。あります。」
この質問、かなり外来で多く聞かれます。「えっ??」ショックを受けられる方もいらっしゃると思いますが、私は「でもね、それは、『私、なんで20代のままでいられないんですか?』『「私、なんで年をとるんですか?』と言っているようなものなんですよ。皆、平等に年をとりますよね^ ^?」とお答えします。
白内障とは、水晶体に起こるなんらかの理由で水晶体が混濁した状態です。水晶体は、主に水(65%)とタンパク質(34%)で出来ています。水晶体細胞は生涯に亘り細胞分裂・分化し続け、成れの果ては核として中心に蓄積していきます。
その為、加齢に伴い、若い柔らかな細胞が減り水晶体全体の弾力性が減少する(硬くなる)と同時に水晶体の核は硬く厚みを増していくことで、次第に近くにピントを合わせることが出来なくなり、【調節力が落ちる】【一時的に近くが見えやすい】【眼鏡が合わなる】などの症状を自覚するようになります。また、水晶体中のタンパク変性により無色→黄色化(混濁)が進み、【霞んで見える】【明るいところで見にくい・眩しい】【視力低下】【二重、三重に見える】などの症状を自覚するようになります。
濁る程度は勿論のこと、濁る場所により自覚症状の出方は異なります。初期には視力に影響は出にくいタイプ/初期から急激な視力低下を自覚するタイプ/生理的で非常にゆっくり進行するタイプ/夜間の運転時などに眩しさを感じやすくなるタイプetc…、様々です。
上記のように、“視力が落ちた=白内障がある”でも、“視力が良い=白内障が無い”でもないのです。そしてまた、“白内障がある→手術”でもありません。白内障以外の眼の状態・全身状態によって、経過を見るだけで良い場合と早々に手術をすべき場合もあります。
白内障の原因は、以下のように多岐に亘ります。
先天性・加齢・全身疾患の合併症(糖尿病・腎疾患・神経疾患など)・眼疾患の併発(ぶどう膜炎・緑内障など)・薬物性(ステロイドなど)・外傷性・放射線性・アトピー性などが挙げられます。
眼科では、専門の医療機器を用いて、ご自身では気付けない眼の不調や病気も見つけられます。眼科で行う定期検査は、《大切な眼を、より良い状態に維持する為のメンテナンス》です。是非、少しの変化や不安も気軽に相談できる、かかりつけ医を持って下さいね
『2015年7月17日 Facebookにて投稿』