皆さん、こんにちは
毎日、暑い日が続いています。こまめな水分補給を心がけて、熱中症に気をつけて下さいね
本日は、身近な《結膜炎》についてです。
質問:結膜炎って感染するの?
答え:感染する結膜炎と、感染しない結膜炎があります
結膜は、所謂“瞼の裏”から“白眼”まで連続している粘膜です。結膜炎を起こすと、瞼の腫れ・痒み・目ヤニ…様々な自覚症状をもたらします。
結膜炎の原因としては、①アレルギー反応 (花粉・ハウスダスト) ②物理的刺激 (紫外線・ほこり・ゴミ・コンタクトなどによる摩擦) ③感染(細菌・ウイルス・クラミジア・カビ等の微生物)が主になります。本日はこのうち、第③項目目についてお話致します。
細菌性結膜炎は年齢により原因菌が異なり、種類も多岐に渡りますが、適切な抗菌剤にて治療を行えば、迅速な治療効果が現れてきます。自分の眼に感染(左右の眼)することはあっても、他者への感染力は強くありません。
一方、結膜炎を起こすウイルスはほぼ限られており、その主たるものが添付写真に記載されている3種類の結膜炎になります。ウイルスは人の細胞の中に入り込み、自分の住みやすい環境に変えながら増殖していきます。今現在はこれらウイルスに対して直撃出来る薬が無いため、炎症や合併症を抑える治療が施されますが、症状は長引いてしまいます。はやり目の原因ウイルスは発症後2週間以内は感染力が強く、3週間目でも感染源となる可能性があるのです!プール熱の原因ウイルスは、結膜炎治癒後も約一ヶ月程度は、泌尿器・消化管からも排出されます。「結膜炎が治ったから」と、プールで集団感染になりやすいのもその為なのです
まず、感染の経路は、患者さんの眼から出る分泌物(涙・目ヤニ)に汚染された手を介する場合・ウイルスに汚染された物(公共物や家庭)に触れた手を介する場合があります。つまり、白眼が赤くなくても、目ヤニが無くても、ウイルスに汚染された物が残っていれば、新たな感染者が発症する可能性は充分にあるのです!
特に、家庭内での感染には注意が必要で、洗面所やお風呂場など湿潤環境を介しての感染、タオルや食器などの共有物を介しての感染、ハンカチや寝具など洗濯機を介しての感染が主な経路になります。ウイルス性結膜炎は、自分自身だけでなく他者への強力な感染力を有するのです。
ウイルス感染への対策です 熱・紫外線・乾燥などにより感染力が低下するので、70%アルコールまたはイソジン®での洗浄・清拭、加熱(煮沸)、紫外線照射などの方法を使い分けて下さい。
感染予防では、まず手洗い!! 汚染された手を介して結膜炎にならないようにすることが大切です。目ヤニや涙は、一回一回ティッシュで拭い、ゴミ箱に直行…そしてまた、手洗い!!です。
『2015年6月1日 Facebookにて投稿』