皆さま、こんにちは
ムシムシする梅雨ではありますが、鮮やかな紫陽花がしっとり美しい季節になりましたね。
本日は、コンタクトレンズ(以下、CL)についてお話致します。今までの投稿と重複する内容も含まれますが、大切なことであり、また自ら予防出来ることなので、是非是非‼︎しっかり記憶に留めて頂きたいと思います。
質問:「CL定期検査なんて必要ないよね?検査料もバカにならないし。最初は眼科で買って、その後ネットで同じの買ってるんだから大丈夫でしょ?」
NO !! 危険です!!
写真①は、細菌性結膜炎です。外来診療で一番多いタイプです。白目全体ではなく黒目の周りに充血が強い《毛様充血》と黒目の中に白い点《潰瘍または浸潤》を見つけたら、様子見をせずに急いで眼科受診して下さい!!
写真②は、びまん性の点状表層角膜炎です。こんなに傷だらけなのに、“自覚症状が無い”のです。もしくは、「CLを外すとゴロゴロする」ということもあります。ソフトCLは角膜全体を覆う為、角膜への栄養である酸素不足により様々なトラブルを起こしますが、変化が起きると痛みが強く自覚しやすいハードCLに比べ、ソフトCLは逆に症状をカバーしてしまう為に変化に気付きにくく、知らず知らずのうちに重篤な状態を招いてしまいます。
写真③は、アカントアメーバ角膜潰瘍です。CLに伴う感染症では、緑膿菌やアカントアメーバによる角膜潰瘍が多く見られます。緑膿菌は急速に病状が進行します。また、アメーバはその時々で形状を変化させる為、特効薬が無いばかりか薬剤の効果も安定しません。いずれも難治で重篤な予後を辿り、失明に繋がることもあります。
写真④は、巨大乳頭結膜炎です。CLに付着した汚れが原因で起こるアレルギー性結膜炎です。CLは裸眼でいる時の様に涙の循環もスムーズではありませんし、ここにdry eyeが重なると、汚れを洗い流せない為に症状は悪化しやすくなります。写真の様な所見があっても、気づいていない方も結構いらっしゃいます。
上記以外にもCLトラブルはたくさんあります。後戻り出来無い状態になる前に、もう一度! CLの使用方法を見直してください。改めて、CLは『高度医療機器』です。「私は大丈夫!」と自己判断せずに、眼科で定期検診を必ず受けましょう!トラブルを未然に防ぐ為に。そして、トラブルがあっても軽傷のうちに治しましょう!
『2015年6月16日 Facebookにて投稿』